十日戎(とおかえびす)は、毎年1月に行われる商売繁盛や家内安全を願う日本の伝統的なお祭りです。
関西では親しみを込めて「えべっさん」と呼ばれ、特に大阪・兵庫・京都では新年の風物詩として多くの人で賑わいます。
とはいえ、
「十日戎ってどんな祭り?」
「えべっさんでは何をするの?」
「縁起物は何を選べばいい?」
と、初めての方には分かりにくい点も多いですよね。
この記事では、十日戎(えべっさん)の基本的な意味や参拝の流れ、縁起物の種類をわかりやすく解説するとともに、関西で有名なえべっさんスポットや、参拝とあわせて楽しめるお出かけ情報もご紹介します。
新年の関西旅行やお出かけの参考に、ぜひ最後までご覧ください。
十日戎(十日えびす)はどんな祭り?
十日戎(とおかえびす)は、商売繁盛や家内安全を願ってえびす様をお祀りする日本の伝統的なお祭りです。
特に関西では「えべっさん」の愛称で親しまれ、新年最初の大きな行事として毎年多くの参拝者が訪れます。
えびす様は七福神の一柱で、商売の神様・福の神として知られています。
商売をしている人はもちろん、会社員や自営業の方、家庭の幸せを願う人まで、幅広い層が一年の福を願って参拝するのが特徴です。
十日戎の起源とえびす様のご利益

えびす様は、古くから漁業や商業を守る神様として信仰されてきました。
笑顔が印象的な姿から「福を呼び込む神様」とされ、「商売繁盛」「家内安全」「五穀豊穣」などのご利益があるといわれています。
十日戎は、このえびす様を祀る神社で行われる祭りで、新しい年の商売や暮らしがうまくいくように願う意味が込められています。
十日戎はいつ行われる?宵戎・十日戎・残り福とは
十日戎は、毎年1月9日〜11日の3日間にわたって行われます。
- 1月9日:宵戎(よいえびす)
本祭りの前日。比較的落ち着いて参拝しやすい日です。 - 1月10日:十日戎(とおかえびす)
祭りの中心日で、最も多くの参拝者で賑わいます。 - 1月11日:残り福(のこりふく)
「最後まで福を授かれる日」とされ、あえてこの日に参拝する人も多くいます。
関西では「残り福にも福がある」と言われ、3日間すべてに意味があるのも十日戎の特徴です。
なぜ十日戎は関西で特に盛んなの?

画像:引用元
十日戎が関西で盛んな理由の一つは、えびす様信仰が古くから根付いている地域だからです。
大阪や兵庫は商人の町として発展してきた歴史があり、商売繁盛を願う文化とえびす様の信仰が強く結びついてきました。
そのため関西では、
●「えべっさんにお参りしないと一年が始まらない」
●「新年最初の運試し」
といった感覚で十日戎を大切にする人が多く、今でも大きな賑わいを見せています。
十日戎は初心者でも楽しめるお祭り
十日戎は、特別な作法や知識がなくても気軽に参加できるお祭りです。
お参りをして、縁起物を授かり、屋台や町の雰囲気を楽しむだけでも十分に「えべっさん」を体験できます。
次の章では、実際に十日戎では何をするのか、参拝の流れを詳しく解説していきます。
十日戎では何をする?参拝の流れ
十日戎(えべっさん)では、えびす様にお参りをし、一年の福を願いながら縁起物を授かるのが基本的な流れです。
初めて訪れる方でも、特別な作法を覚える必要はなく、誰でも気軽に参加できるお祭りとして親しまれています。
ここでは、一般的な十日戎の参拝の流れを順番にご紹介します。
① 神社に参拝する

まずは神社の本殿でえびす様にお参りをします。
参拝の際は、普段の神社と同じように手水で手と口を清め、お賽銭を納めてからお祈りします。
お願い事は、
・ 商売繁盛
・ 仕事運アップ
・ 家内安全
など、自分に合った内容で問題ありません。
関西では「今年もよろしゅうおたの申します」と、えびす様に声をかける風習がある神社もあります。
② 福笹(ふくざさ)を授かる

画像:引用元
参拝後、多くの人が授かるのが福笹(ふくざさ)です。
福笹とは、えびす様のご利益が宿るとされる笹の枝で、十日戎の象徴的な縁起物です。
神社によっては、最初は飾りの付いていない笹を授かり、
このあと縁起物を付けてもらう流れになります。
③ 縁起物を付けてもらう
福笹を授かったあとは、福娘さんや巫女さんに縁起物を付けてもらいます。
縁起物にはそれぞれ意味があり、願い事に合わせて選ぶのが一般的です。
代表的な縁起物には、
・ 小判:金運・財運
・ 鯛:めでたさ・商売繁盛
・ 米俵:五穀豊穣・安定
・ 熊手:福をかき集める
などがあります。
縁起物を付けてもらう際の掛け声や賑やかな雰囲気も、えべっさんならではの楽しみの一つです。
④ 屋台やお祭りの雰囲気を楽しむ

十日戎の楽しみは、参拝だけではありません。
境内やその周辺には多くの屋台が並び、お祭りらしい活気ある雰囲気を味わえます。
たこ焼きや焼きそばなどの定番グルメはもちろん、神社ごとに特色のある屋台が出ることもあり、参拝後の楽しみとして人気です。
特に関西のえべっさんは人出が多く、「一年の始まりを感じられるお祭り」として、家族連れや観光客にも親しまれています。
十日戎は「お参り+体験」を楽しむお祭り
十日戎では、
- えびす様にお参りをする
- 福笹と縁起物を授かる
- お祭りの賑わいを楽しむ
この一連の流れを体験することで、新しい一年のスタートを実感できるのが魅力です。
次の章では、十日戎の縁起物にはどんな種類があり、どう選べばいいのかを詳しく解説していきます。
十日戎の縁起物とは?意味と選び方
十日戎(えべっさん)では、福笹に縁起物を付けて一年の福を願うのが大きな特徴です。
縁起物にはそれぞれ意味があり、自分の願いや生活スタイルに合わせて選ぶことができます。
ここでは、十日戎で代表的な縁起物と、その意味、初心者向けの選び方をご紹介します。
福笹(ふくざさ)とは?

福笹とは、えびす様のご利益が宿るとされる笹の枝で、十日戎の中心となる縁起物です。
「笹はまっすぐに伸びることから、運気もまっすぐ伸びる」と考えられ、古くから縁起が良い植物とされています。
十日戎では、
・ 神社で福笹を授かる
・ そこに縁起物を付けてもらう
という形で、一年の福を形にしていきます。
基本となる福笹は、参拝した神社で授かるのが一般的です。
十日戎の代表的な縁起物と意味
福笹に付ける縁起物にはさまざまな種類がありますが、特に人気が高いものをご紹介します。
- 熊手
福や運を「かき集める」とされる縁起物。商売繁盛や仕事運アップを願う人に人気です。 - 小判
金運や財運の象徴。商売をしている人はもちろん、収入アップを願う人にも選ばれています。 - 鯛(たい)
「めでたい」に通じることから、商売繁盛や家内安全など幅広い願いに使われます。 - 米俵
五穀豊穣や安定を意味し、家庭円満や安定した生活を願う人に向いています
どれを選んでも間違いはなく、「今の自分が一番願っていること」を基準に選ぶのがポイントです。
初心者はどの縁起物を選べばいい?
十日戎が初めての場合、「たくさんあって迷う」という方も多いですが、難しく考える必要はありません。
初心者の方には、
・ 熊手+鯛(全体運・商売繁盛)
・ 小判+米俵(金運+安定)
といった、意味の分かりやすい組み合わせがおすすめです。
また、縁起物は無理にたくさん付ける必要はなく、「気に入ったものを一つ二つ選ぶ」だけでも十分とされています。
縁起物は現地+後日で揃える人も多い
福笹は十日戎ならではのものなので、基本的には現地の神社で授かるのがおすすめです。
一方で、縁起物や開運アイテムについては、参拝後に自宅用や贈り物として後日あらためて揃える人も少なくありません。
忙しくてゆっくり選べなかった場合や、
「家用と仕事用で分けたい」という場合には、通販で縁起物や開運グッズを探すのも一つの方法です。
▼ 種類を見比べながら選ぶと、自分に合ったものを見つけやすくなります
縁起物は「気持ち」を大切に選ぶ
十日戎の縁起物は、値段や数よりも、
「新しい一年を前向きな気持ちで迎える」ことが何より大切です。
次の章では、関西で有名なえべっさんスポットをご紹介し、どこへ行けば十日戎を楽しめるのかを詳しく解説していきます。
関西で有名な「えべっさん」スポット3選
十日戎(えべっさん)は全国各地で行われていますが、特に関西はえびす信仰が根付いた地域として知られています。
大阪・兵庫・京都には、それぞれ個性のある有名なえべっさんがあり、毎年多くの参拝者で賑わいます。
ここでは、関西で十日戎に行くならぜひ訪れたい代表的な3スポットをご紹介します。
今宮戎神社(大阪)|大阪で有名なえべっさん

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大阪のえべっさんといえば、今宮戎神社を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
「日本一有名なえべっさん」ともいわれ、十日戎の期間中は全国から参拝者が集まり、関西屈指の人出を誇ります。
今宮戎神社の特徴は、
- 商売繁盛のご利益で有名
- 活気あふれる境内の雰囲気
- 福娘さんによる賑やかな縁起物授与
など、「これぞえべっさん」という空気を存分に味わえる点です。
アクセスも良く、ミナミエリア(難波・心斎橋・道頓堀)から近いため、観光や食べ歩きとあわせて立ち寄りやすいのも魅力です。
大阪観光を兼ねて十日戎を楽しみたい方に、特におすすめのスポットです。
▼ 今宮戎神社の参拝後は、難波や天王寺エリアでの食べ歩きや観光も


西宮神社(兵庫)|福男選びで有名なえべっさん

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兵庫県西宮市にある西宮神社は、えびす様の総本社として知られる由緒ある神社です。
毎年1月10日に行われる「福男選び」は全国的にも有名で、ニュースなどで目にしたことがある方も多いでしょう。
西宮神社の十日戎の魅力は、
- 伝統を感じられる厳かな雰囲気
- 福男選びなどの行事
- 広い境内で比較的ゆったり参拝できる点
にあります。
また、西宮神社は大阪からも神戸からもアクセスしやすく、観光やグルメと組み合わせやすいのもポイントです。
「お祭りの賑わいと、落ち着いた参拝の両方を楽しみたい」という方に向いています。
▼ 西宮神社の参拝後は、三宮へ行くならこちら

京都ゑびす神社|京都で参拝しやすいえべっさん

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京都市東山区にある京都ゑびす神社は、観光客にも人気のえべっさんです。
大阪や兵庫のえべっさんに比べると規模はやや小さめですが、その分、祇園や東山といった古都の静謐な街並みに溶け込んでおり、比較的落ち着いた雰囲気で参拝できるのが特徴です。
京都ゑびす神社の魅力は、
- 京都らしい街並みの中で楽しめる
- 初心者や観光客でも参拝しやすい
- 観光名所(祇園、建仁寺など)と組み合わせやすい立地
といった点にあります。
「人混みは少し苦手だけど、歴史あるえべっさんの雰囲気は味わいたい」
「祇園観光とあわせて十日戎を楽しみたい」
そんな方にこそ、京都ゑびす神社の十日戎は特におすすめのスポットです。
▼ 京都ゑびす神社は、祇園や伏見稲荷観光と組み合わせやすい立地


えべっさん参拝+一緒に楽しめる関西お出かけプラン
十日戎(えべっさん)は、参拝だけで終わらせるのではなく、周辺エリアのお出かけや観光と組み合わせることで、より満足度の高い一日になります。
特に関西のえべっさんは、アクセスの良い場所にあるため、「参拝ついで」のプランが立てやすいのも魅力です。
ここでは、関西で人気のえべっさんと相性の良いお出かけプランをご紹介します。
今宮戎神社+黒門市場+道頓堀食べ歩き(大阪)

大阪の今宮戎神社を訪れたら、難波や天王寺エリアを満喫するプランがおすすめです。
参拝後は、徒歩圏内にある黒門市場で食べ歩きを楽しんだり、道頓堀まで足を延ばして大阪グルメを堪能できます。
- たこ焼き・串カツ・お好み焼き
- 活気ある商店街やネオンの街並み
- 写真映えする観光スポット
といった大阪らしさを一度に味わえるのが魅力です。
▼ 今宮戎神社の参拝後は、難波や天王寺エリアでの食べ歩きや観光も


西宮神社+神戸三宮ランチ(兵庫)

西宮神社のえべっさんに参拝したあとは、神戸・三宮方面へ移動してランチを楽しむプランが人気です。
阪神電車を使えばアクセスも良く、移動の負担が少ないのがポイントです。
神戸三宮エリアでは、
- 神戸牛ランチ
- おしゃれなカフェや洋食店
- 中華街での食べ歩き
など、食の楽しみが充実しています。
時間に余裕があれば、神戸港やハーバーランドまで足を延ばすのもおすすめです。
夜景を楽しみたい場合は、三宮周辺での宿泊も検討すると、ゆったりとした旅になります。
👉 阪神沿線の移動+神戸市内のホテル予約は、旅行予約サイトを使うとスムーズです。
▼ 三宮へ足を伸ばすならコチラ

▼ 西宮神社の参拝後は、有馬温泉や六甲山方面へ足を延ばすのもあり


京都ゑびす神社+祇園・東山散策(京都)

京都ゑびす神社を訪れたあとは、祇園や東山エリアの街歩きがおすすめです。
歴史ある街並みを眺めながら、冬の京都らしい落ち着いた雰囲気を楽しめます。
- 祇園の町家カフェ
- 八坂神社や花見小路
- 和菓子や甘味処めぐり
など、観光とえべっさん参拝を自然につなげられるのが魅力です。
人混みを避けたい方や、ゆったり観光を楽しみたい方は、京都市内で一泊するプランも向いています。
朝や夕方の静かな時間帯に散策できるのは、宿泊ならではの特権です。
👉 京都市内の宿泊施設は、時期によっては早めの予約がおすすめです。
▼ 京都ゑびす神社は、祇園や伏見稲荷観光と組み合わせやすい立地


日帰り・宿泊どちらも選びやすいのが関西えべっさんの魅力
関西のえべっさんは、
- 電車移動がしやすい
- 観光スポットが近い
- 日帰りでも泊まりでも楽しめる
という点で、旅行やお出かけと非常に相性が良いお祭りです。
参拝だけで終わらせず、
「食べる」「泊まる」「癒される」
といった要素を組み合わせることで、十日戎をより思い出深い一日にできます。
次の章では、混雑を避けるコツや服装、注意点について解説していきます。
混雑を避けるコツ・服装・注意点
十日戎(えべっさん)は関西を代表する人気のお祭りのため、毎年多くの参拝者で賑わいます。
事前に混雑状況や服装のポイントを知っておくことで、当日をより快適に過ごすことができます。
混雑しやすい時間帯と避けるコツ
十日戎の期間中は、1月10日(十日戎)の夕方〜夜が最も混雑します。
仕事帰りの参拝者や観光客が集中するため、境内や周辺道路は身動きが取りにくくなることもあります。
比較的ゆったり参拝したい場合は、
- 1月9日(宵戎)の昼間
- 1月11日(残り福)の午前中
を狙うのがおすすめです。
また、どうしても混雑する時間帯に訪れる場合は、
- 参拝だけ先に済ませる
- 屋台や食事は時間をずらす
といった工夫をすると、ストレスを減らしやすくなります。
冬の十日戎に必要な服装・防寒対策
十日戎は1月の屋外イベントのため、防寒対策は必須です。
特に夜の参拝や待ち時間が長くなる場合は、体が冷えやすくなります。
おすすめの服装・持ち物は、
- 厚手のコートやダウン
- マフラー・手袋
- カイロ
- 歩きやすい靴(スニーカーなど)
境内は砂利道や段差があることも多いため、ヒールや滑りやすい靴は避けたほうが安心です。
「暖かさ」と「歩きやすさ」を重視した服装がおすすめです。
▼ 新年に訪きたい関西の初詣スポットもチェック


まとめ|十日戎はこんな人におすすめ
十日戎(えべっさん)は、新しい一年のスタートにぴったりなお祭りです。
特に、次のような方におすすめできます。
- 商売繁盛や仕事運アップを願いたい人
- 新年の関西旅行やお出かけを考えている人
- 冬ならではのお祭りの雰囲気を体験したい人
参拝だけでなく、観光やグルメと組み合わせることで、十日戎はより思い出深いイベントになります。
ぜひ自分に合ったえべっさんを選び、関西の冬を楽しんでみてください。
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